2017年04月16日

独特の花生け

      美 濃 の 新 参 物


 SANY0915.JPG明治期の花生けは瀬戸と伊万里が製造を引き受け、両産地互いに競いあっていた時代、他地域の参入を許さず、両産地は花生け製造に邁進をしていた。
 様々な時計の花生けがこの産地から生まれ、異国へと旅立って行ったが、大正期に入ると美濃の笠原で安価な花生けが作り出され、先行の産地を追随する事になる。

 瀬戸や伊万里で製造された花生けと違って、美濃物は新たな新商品を作り出し、新案特許を取得先行産地を脅かす存在となり、市場は三つ巴の様相を来たす。

 美濃笠原で新たに製造された花生け、時計の八角型をしているがカレンダーが付いており、先行産地には無い形の花生け、この形で新案特許を取得(パテントナンバー37259)、他地域が製造できなくする戦法を取る。
 時計の花生けにカレンダーの付いた物は既に製造されSANY0919.JPGているが、形と色合いを含めて特許を申請して独占体制を築き、後発の産地が市場で有利に展開する事を図ったもの。

 特に東南アジア向けを意識し、先行産地を追い落とす作戦であったようだが、東南アジアで其の目論見は当て外れのようであったが、国内では多少の存在をアピールしたに過ぎない。
 原因は幾つか上げられるが、一番の原因はカレンダーを付けたは良いが、カレンダーの針を通す穴が中央に空いており、水が沢山入らず花生けとしての用を足さなかった事。

 デザイン的にはスッキリとした形で、製造しやすい事からコストを下げられ、販売するには都合が良かったが、基本的な設計ミスで実用新案特許を取得した割には、効果は余り無かったようだ。
 この花生け以前は市場に出回らなくて希少価値が出、値段も出れば高価で取引され、特に愛好家がこぞって買い入れた為、高値をつけていた。SANY0926.JPG

 しかし、4、5年前に倒産した窯元から、りんご箱十数個に入った花生けが発見され、その数が多くて各業者が皆持つ結果となり、市場価格が暴落、6分の1にまで落ち込み愛好家からそっぽを向けられてしまった。
 現在は大抵の業者が持っており、値段も安くて新たに欲しい人にとっては買い時であるが、以前に買った愛好家たちは、腹立たしい思いで居るに違いない。

 写真の花生けが、大正期に美濃、笠原で製造され実用新案特許を取得した物であり、デザインも色も面白い物であり、歴史的に興味のある品物には違いない。

posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク