世界的怪獣
この映画が出来たのはアメリカがビキミ環礁での水爆実験、これにヒントを得て人類への警告として作られたものだが、何時の間にか娯楽映画にと変身してしまった。
その上、ニューヨークでのキングコングとの対決までやってのけ、外貨獲得に一役買ってしまったゴジラ、本当の狙いとは何だったのか。
そもそもゴジラが誕生したのは水爆実験の影響だと思うが、怪獣にと変身してしまったゴジラ、放射能の影響であるはず、水爆実験への抗議、警告の映画だ。
人類が生み出してしまった怪獣ゴジラ、科学兵器開発にヤッキとなっていた時代への警告、それが日本映画の趣旨でもあったのだと思う。
水爆実験の結果、怪物となしたゴジラが暴れ周り、日本を窮地に陥らせるとの設定で、日本各地に出没して各所で暴れ回る物語。
この時のゴジラは当然怪獣であり悪玉、水爆により巨大化した全盛期の動物が、放射能の影響で怪獣と化し暴れまわるものだが、彼にとっては人類が敵。
深い海底で眠っていたのを水爆で起こされ、その姿は怪獣と化し、自分では何でこうなったのか全く知らない筈、なのに攻撃されるから反撃するだけ。
もともと人類が作り出した核兵器により、元の姿からは想像もつかない怪獣になってしまったが、ゴジラにはなんら罪はなく、人類が作りあげてしまったものだ。
1954年11月にゴジラ誕生、映画化されることとなり、怪獣ゴジラの誕生、当時アメリカ映画の特殊撮影に興味を持っていた東宝が映画に挑戦する。
当時のゴジラは身長50メイトルの巨大な怪獣、設定としてはビキミ環礁から出現した怪獣となっており、向うところ敵なしの勢い。
はじめは日本をメチャメチャにしていたゴジラ、映画が2作、3作と進むにつれ日本の味方となってゆくから不思議、今度は迫り来る怪獣から日本を救う。
原作から離れてゆく事に、そして人気は鰻上りとなるが、次第に時代の波にのみ込まれて行くことになり、1975年に製作ストップとなる。
一時は大ブームを巻き起こしたゴジラ映画も、時代変化に付いて行けなくなり、ゴジラ映画は封印される事になるが、1984年まで長きに停止。
その後又復活してゴジラ映画が作られるようになるが、以前のような爆発的な人気は無く、地道なゴジラ映画として作られたようだが、近年アメリカ映画のゴジラが爆発的人気を得ることに。
日本のゴジラを真似てアメリカでリメイクされ、全米でゴジラブームが起き、その勢いは日本に伝わることになり、再度ゴジラが見直されつつあるのだが。
果たしてこのシンゴジラブームが長きに渡って続くかどうかは疑問、娯楽としてのゴジラ、何処に的をしぽるのかが今後の課題と言えよう。