2019年01月13日

手の一部

      使い込んだもの

 誰にも愛着のある一品があると思う、それが何であれ長年使い込んだものは、使いやSANY3731.JPGすくて愛着が湧くもの、ある人はジーパンであったり、ある人は家庭用品だったり、ある人は日用品だったりと様々な物が、人其々にあるもの。
 毎日使い込んだものには、自分の体の一部のようなもの、常に手の中にあり、空気の如く使いこなせるものだが、それはやはり体の一部となったものだ。
 もう40年も前の事、友人が革ジャンを買いに行くからつき合えと云って来たので、しかしなく付いて行く事に、専門店に行くのかと思いきや、見慣れない所に入っていった。
 そこは質流れ専門店、友人いわく「新品の革ジャンなんか着れるか」とうそぶく、しかし本心は金が無いからではなく、新品は嫌だからだが、それはさて置き友人、気に入った革ジャンを見つけて買い込んだ。
 私もついでにと物色、するとライターに目がとまり、その売り場に行くと高級なライターが並んでいたが、これは俺には買えないと思い、店員さんに安くて良いものは無いのかと尋ねてみた。
 すると店員さん「良い物が入っているよ」と、中から取り出したのが写真のライターだ、フランス、デュポン社のライターで、今までに見た黒漆のものとは違うもの。

 店員さんは「余り傷もなく程度が良く、値段も安くしてあるから買い得だと言う、値段を聞けば新品の10分の1の値段、之なら私でも奮発すれば買えるかもと思った。
 友人には中古等買うなと云いながら、自分も中古を買おうとしている自分に、SANY3735.JPG聊かのためらいもあり躊躇していると、友人「値段も安いから買わないと損」とせき立てる。
 確かにやすいし欲しい、しかし安いといっても給料の5分の1、ためらうのが当たり前の事、しかし店員の勧めに負け結局買い込んで友人と店を後にした。
 2人で近くの喫茶店に入り、今日見つけた革ジャンとライターの話しに夢中になる。
 友人はピッタリとした自分好みの革ジャンを見つけ、それも着て帰った来たからだ、すでに昔から着ているような素振り。
 確かにピカピカしていなくて、体に馴染んでおり、実に良い風情の革ジャン、私も欲しい位のものであった。
 すると友人「中古を馬鹿にしていたお前も、中古買いか」と嫌味を連発、そんな罵声を諸共せず、気に入って買ったライターを使って煙草を吸う、実にうまいと感じたものだ。
 それ以来40数年、このライターを使い込んで、今では私の手の中でシックリと馴染む、お気に入りのライターとなったのだが、それにしてもあの時買い込んで良かったと、今改めて思うものだ。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記