2019年03月05日

染付け

      シンプル

SANY8919.JPG 中世から瀬戸の焼き物は進化を続けてきたが、その中には色々と自然から取り込んだものも多く、其れを陶器の図柄に生かしてきた。
 当然の事だが、時代時代により、その流行を生み出してきた事は出来上がったものを見れば、個々に分かるもの、複雑なものから単純なものまで。
 単なる陶器の図柄と言うが、その図柄が出来上がるのには、それなりの背景が存在するもので、其れを流行とも言うが、その流行を生み出したのも職人。
 陶器職人は、ややもすると肉体労働者として日々働いていた人と思われているが、彼らはそんに無教養では無なく、むしろ一般的な人達より社会の仕組みや流行、そして教養も持っていた人達。
 例えば、江戸時代の陶器職人は、流行の歌舞伎や芝居に精通しており、その歌舞伎の一場面を陶器の絵付けに施したり、短歌を上手く取り入れて図柄にしたりした。
SANY8923.JPG
 それなりの知識と教養が無ければ出来る事のない図柄、彼ら職人と一言で言いあわすが、単に絵を描いているわけではなく、洒落や社会風刺も巧みに出来る人たちであった。
 江戸の陶工たちは、常に文化を先取りして庶民に提供していたであり、彼らこそ文化人であったと思う、その中から生まれ出た器や図柄は現在も受け継がれているのだ。
 写真の染め付け、湯飲みに描かれた木賊模様、細い線を何本も引き、連続模様としているが、野にはえている木賊がモチーフ、其れを単純化して描かれているが実に自然。
 この様に単純な模様のようであるが、目の前の自然を力まずに、自然体として取り込んだ模様は、何時までも飽き無いものであり、使いやすさを兼ね備えた庶民の器だ。
 これ等を現在の生活に取り入れても時代感はなく、古さを感じさせないのは、優れたデザインであると言う証しではないだろうか。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記