2019年08月06日

すぎだま

    新酒の出来

 良く造り酒屋の軒先に、茶色の大きなボール状のものが吊るされているのを見たことがありますか、昔は殆どの造り酒屋の軒先には掲げられSANY2911.JPGていた。
 最近では余り見られなくなったが、昔ながらの杉玉を軒先に吊るしているところもあり、ここが造り酒屋と分かるようになっている物、この杉玉、名前を「酒林」と言うそうな。
 本来の意味は酒の神様に新酒の出来お祈りして、杉の穂先で大きな玉を作って、軒先に吊るして酒の神様に捧げたもので「酒林」と言われる物だ。
 青々とした杉の葉でボール状の玉を作り、店の軒先に吊るしていたが、本来の意味よりも新酒が出来た合図みたいになってしまっているが、元々は奈良酒神大神神社の三輪山の杉で、杉玉を作り神様に捧げたものだ。

 酒神大神の杉は神聖な物とされ、その神聖な杉の葉で作られている杉玉であるから、ご利益があるとされ、造り酒屋の軒先に吊りし神に祈ったもの。
 造り酒屋の看板でもなく、毎年新たに作られるのが本当の形、しかし現在では酒も杉の桶で新酒は作らず、まして杉玉を毎年作る造り酒屋はなかなか無いと思う、時代だと言ってしまえば其れで終わりだが、新酒の出来は人間の力で出来る物ではなく、酵母の働き如何に掛かっているもの、人の力で無いからこそ、酒神大神に御願いするのだ。

  極 楽 は  何 処 の 里 と 思 い し に  杉 葉 立 て た る  又 六 が 門
  
 そんな風習も、近代的に酒を作るようになり、神の存在を忘れてしまったようなもの、日本人の持って生まれた優しい心は、既に失われて行ったのか。
 現代経営の酒造りには、酒神大神神社の存在は忘れ去られて、商売優先の厳しい世の中になったしまったらしく、風習も忘れ去られようとしている。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記