2019年10月15日

旧式

    鎖引き懐中時計
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 懐中時計の歴史は意外と古く、16世紀ドイツ、ニュルンベルクのペーター、ヘンラインがゼンマイを使用して時計を製作、それまでの分銅引きを動力とした時計より遥かに小さな時計を作り上げた。
 当時の時計と言えば重たい錘を動力として、非常に大掛かりな時計であったものを、ヘンラインはゼンマイを使用することにより時計を小型化すことに成功したのだ。
 その時計は「ニュルンベルクの卵」と呼ばれるもの、卵型の大きな時計、卵と言っても鶏の卵のような大きさではなく、ダチョウの卵位の大きな物であった。
 当時としてはこれでも小さな時計、持ち歩きの出来る時計は画期的であり、動力もゼンマイ式と革新的な時計であった事は云うまでもない。
 この時計ゼンマイは香箱と呼ばれる真鍮製の器に入っているもので、動力がゼンマイである事が時計を持ち運び出来るようになったもの、形も全く違った物となった。
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 現在の懐中時計は非常に小さく薄い物であるが、この当は卵形をした分厚い物、まだゼンマイも機械も大型であり、懐中時計とはいえ、その大きさはポケットに入る代物ではなく、ヤッパリ大きくて重い時計であった。
 その後改良がなされて次第に小さくなって、現在の物に近いものとなるが、その仕組みはまだ技術的には劣っていたもので、ゼンマイの力を上手く利用できなかったようだ。
 そこで考え出されてものがフュジーと呼ばれる機構、ゼンマイの香箱にチェンーをつけ、片方に円錐形のドラムを設けることにより、ぜんまいが解けて力が落ちた時にも、平均的に力が加わるように工夫された。
 チェンー、フュジーと呼ばれる機構を開発して精度が格段に進歩、ゼンマイの力を最後まで引き出す機構が、懐中時計に確立、古い時代の懐中時計は、このフュジーが大きく、又ゼンマイも厚く大きかったもので、時計全体が分厚く、大きくなってしまい、その改良に苦心した。

 時代が下がるに連れて、懐中時計の厚さも次第に薄くなっSANY3092.JPGて行く事に、その為懐中時計の厚さで時代が判別出来る事も、この時代の懐中時計は勿論手作りであり、作者名が時計の裏側に刻まれており、当然製作したところの地名も入っているから、時代測定もそこから判別する事もできる。
 何にしても、時代の古い懐中時計はその形が卵形をしている物は古く、薄い円盤型みたいになっている物は時代が下がった物と判別できる。
 この時代の懐中時計は、手の込んだ模様が施されている物が殆ど、その模様を楽しめるのも、この時代の懐中時計の楽しみ方でもある。

 写真は古い時代の鎖引き懐中時計の機械を出して、分かりやすく見せているもので、大きさが分かりづらいかもしれないが、明治期の懐中時計より少し大きいくらい。
 古い時代の懐中時計は軸受けに宝石等の石が入っていないから、古いものか、其れともそれよりも新しい物なのかの判別も出来る。
 勿論厚さもその判断の材料、ヤッパリ分厚い物は時代が古い物と判別して良いと思うが、時としてこの範疇に入らない懐中時計もある事も頭に入れておくと良い。



posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記