2020年10月10日

国の財産

    証しが何処に

 SANY5664.JPG古時計を蒐集するにあたって、欲しい時計が幾つかあるが、その中でも人気の高い物は幾つかあり、ヤッパリ駅逓寮の時計が1番多い。
 この時計は明治6年に新政府がアメリカ製の時計を購入して、現在の郵便局や交番等の場所に配布した時計であり、出所がハッキリしている物、特に駅逓寮の船時計は余りかさばらず、それでいて使い易さもあって人気が高く、愛好家にとっては欲しい時計の1つ。
 通称「交番時計」と呼ばれたり、「船時計」と称せられるもの、明治初期に輸入された事もあり、古い時計の代名詞ともなった。
 これ等の時計だけではなく、国が購入した時計には国有財産の証しがなされているが、その事を知る人も少なくなってしまった。

 あるテレビの人気番組で、帝國図書館使用の時計が鑑定されていたが、国有財産の証しが無いものを本物と断定していた。SANY5675.JPG
 あの時計は国の財産であるとの証しが無いもので、白ペンキで「帝國図書館参号」と書かれただけもの、この時計は市場で出回っているもの、其れを本物と鑑定するとは考えられない。
 まっかな偽物であるが、鑑定士が其れを知らないとは、数多くの国所有の時計を見ていれば、そんな過ちは犯さないものだが。
 写真は国有財産である証しの焼印、先ず殆どの時計にも国所有である証しがハッキリと押されているのが普通である。
 その他にも和紙に書かれた整理番号やハンコが押された物も存在するが、これ等は国所有から払い下げられた段階ではがされているものが多い。

 その為に見る機会は少なく、はがされた物は特定できない事もあるが、しかSANY5662.JPGし墨で所有場所や名前が書かれているものが殆どんであるから、紙がはがされていても特定は可能。
 白ペンキで書かれているものもあるが、必ず併用して墨もしくは焼印が押されている。
 愛知県明治村に保管されている、国の機関から寄贈された時計には、必ずこの様な証しがハッキリと押されたり、貼られている。
 宮内庁や赤坂離宮、そして官庁にあった時計は全てこの形式、出所がハッキリ分かるようになっている。
 駅逓寮や官庁使用の時計を手に入れる時は、焼印の無いものは避けたほうが賢明かもしれないし、ペンキや墨で書かれた物と併用が肝心だと思う。
 この様な焼印や証しの有る物を多く見て、実物と比較して見ると視野が広くなり、偽物をつかまされることが少なくなると思う。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計裏話