2020年10月16日

やさしい

      名人なのに
 又も登場こSANY0378.JPGけし界の重鎮小椋久太郎、東北を代表する、いや日本を代表するこけしつくりの名人、彼が作ったこけしは何処と無く素朴であり、可愛らしい。
 少年の頃より父、久四郎に付き修業、15、6歳で既に父と同じ様なこけしを作ったとされている人物、さぞかし凄いこけしと思いきや、見てビックリ、そんなに凄い人が作ったものに見えない。
 前垂れと呼ばれている、胴体中央の模様、少し右肩上がりで一見すると、本当に名人が作ったものなのかと、疑いを持つような線であり、花が描かれているが、これも又自分でも書けそうな絵。

 名人が作ったこけしだから、引かれた線もさぞかし真似が出来無いくらいに凄い線と思いきや、曲がった所もあるような線、これが名人の引く線かと疑う。
 其れでいて全体に見渡せば、キッチリと引かれた線よりも、少しくらい曲がった線のほうが柔らか味が出ていることに気がつき、真っ直ぐに引かれた線SANY6711.JPGではこの柔らかさは出ない。
 顔もまた、胴体と同じで目や口も線が少しずれているようにも思うが、其れでいてバランスが取れており、何でかしらないが絶妙なバランスと思えてくる。
 かりに、真っ直ぐな線ばかりで、花の絵もキッチリと描かれたとすれば、何の楽しみも無い機械が作ったものと同じ、ゆとりも無く只硬いだけではないかと思われる。
 名人とは、そんな絶妙な筆使いが出来るからこそ、自分の癖右肩上がりの描かれた線、これを修正することなく終生同じ描き方に徹していた久太郎。
 名人とは、やはり常人には出来ないものを持っている人物、線が曲がっていても、目が少し違っていても、出来上がったものは、人の心をひきつける物に仕上がっている。
 普通の職人には出来ない仕事だと思うし、それを味わいとして吹き込む力量があればこそ出来る事ではないだろうか、やっぱり名人は名人だと思うが。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記