2018年09月06日

こだわり

      ハートH精工所

 SANY6124.JPG明治期の時計製造所の中で特異な体質を持っていた会社、ハートH精工所がそれであり、この会社、時計業界でも特殊な位置に居た時計製造会社だ。
 名古屋地域の時計激戦区で、その存在感を示した時計製造会社だが、何が特殊だと言うと、デザイン性と先見性、この2つを持ち合わせた会社であった事。
 時計製造の激戦区名古屋で生き残ってゆく為に、進んで新しい事をやってのけた時計製造会社であり、経営者長谷川与吉の拘りかもしれない。
 彼、長谷川与吉はハートH精工所を立ち上げてから、先行する時計製造会社に追いつく為、数々の政策を打ち出しているのだが。

 1番の拘りは会社のトレードマーク、当時ハイカラであったと思われるハート、このハートを自社のロゴマークとした事、これだけでも意気込みが違うと思う。
 ハートは心臓とも言われ、真心として偽りの無いものを造るとの信念、それを形としたのがハートのトレードマーク、以後文字盤にはハートH精工所の証しとして付けられている。
 このハートH精工所、数々の変わった時計を製造し事でも有名な会社、古時計愛好家にとっては是非一台は手に入れたい時計の1つ。
 普通の時計もさることながら、変形型で有名な時計製造会社の筆頭格、1番有名なのは有栖川宮家お買い上げのバイオリン型の時計。
 この時計、欅の一枚板を使用、美しい木目を表面に出し、時計ではタブーとされた一枚板、それをあえて使用したもの、随所に拘りの造りを出している時計でもある。
 全体に美しいラインをまとい、バイオリンの形を上手く時計にしたもの、デザインもさることながら、やっぱり欅の木目、この美しさが光る時計だ。

 SANY4458.JPGそこがハートH精工所の拘り、他の時計会社がやらない事を実行、コストがかかる事を承知の上で欅の板を使用する事、これが拘りだ。
 同時期に製造された富士山型の時計、これも欅の一枚板を使用している点もバイオリン型と同じ、あえて一枚板に拘ったものだ。
 その他にも連続ハート型の時計、この時計も自社のトレードマークをデザイン、欅の板を使用して自社のハートを造り出して時計としている。
 あくまでも他社との差別化を計る事に専念した、長谷川与吉の拘りと言えようが、製造した職人たちにもその拘りが見て取れる時計でもある。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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