2018年01月24日

幻のオリンピック

      照らす灯り

SANY5177.JPG 東京オリンピック、2020年に東京で開催されることが決定しているが、昭和のはじめアジアで最初のオリンピックが東京で開催されることが決定。
 1936年、IOCの総会で次回のオリンピックをアジア初の東京で開催する事が決定、しかしこの時日本は中国との戦争に突入する前夜でもあった。
 軍部の中国進出の働きが強くなり、支那事変へと発展してゆく事になり、戦争に突入してしまい、国際的にも孤立を高めて行くことと、結果はオリンピック辞退へとなる。
 アジアではじめてオリンピックを開催するという事に全力を傾けてきた日本IOCも、結局は軍部の力の前には、なすすべもなく打ち砕けてしまった。

 当時、国民の間にも初SANY8721.JPGめて日本で開催されるオリンピックを歓迎し、その機運も上々であった事は確か、巷ではオリンピックムードが盛り上がろうとしていた。
 それを先取りして、国内ではお祝いムードが持ち上がって来たとき、軍部による圧力が国民を押さえつける事に、オリンピックを開く予算があるのならば、戦時下戦争の軍需品に回すのが当たり前と圧力をかけたのだ。
 日本は昭和15年、紀元2600年祭を控えており、これをも擁す事が最大の課題、その一環として東京でオリンピックを開催する事、しかし戦況は着実に悪化していた。
SANY8733.JPG
 国際社会からも圧力が強くなり、軍部の責めつけも激しくなる事で、結局東京でのオリンピックは辞退せざろう得ない状況に陥る。

 しかし民間はオリンピック目当ての商材を数多く計画、オリンピック景気にあやかろうと、あれこれと商品開発を推し進めていた。
 今回紹介するランプもその1つ、オリンピック記念として売り出すために計画されたもので、聖火ランナーをモチィーフにした電気スタンドを製造する事になる。
 合金による鋳造だが、余り良い合金ではなく、物資が段々と厳しくなる予兆みたいな造り、全体に薄く仕上げられ、今一迫力に欠けるものである。
 やはり当時の世相をSANY8738.JPG現していることは間違いなく、オリンピックの記念商品として発売するつもりで製造しているが、日本のおかれている立場を表しているかのようだ。

 聖火ランナーの頭の上には日本の国旗とオリンピアの文字が見え、その下には1940年の年号が刻まれており、東京オリンピック記念だと分かるのだ。
 見た目には重量感がある様に思えるが、実際に手にとって持ち上げて見ると、その軽さに驚くのであり、戦時下であった事を改めて感じる。
 結果、この商品は販売されることはなく、お蔵入りとなったのであろうと思うが、どけだけ製造されたものなのか、そして損失は大きかったろうと想像が付く。
 幻のオリンピックとなった1940年(昭和15年)の東京大会、この外にも数々の商品が製造されたが、当時日の目を見ることはなく、今日その名残を伝える証しとして存在している。

posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク
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