2019年10月05日

蛇の目

    傘とは違うもの
DSCN1376.JPG
 ある会員さんから、「戸田さん教えて欲しい事があります」と言って来たが、その会員さん最近入ったばかりの人だ。
 この会員さんは時の記念日展に来場し、突然古時計に目覚めたと言い、古時計を集める事にしたらしいのだ。
 話の内容は古時計に目覚めて、あるアンティークショップに出かけたらしいのだが、その時の事であると言う、彼はまだ若くて20代後半、古時計保存協会の時計展で見た時計に引かれてしまい、古時計を調べらしたらしい。
 そして古時計を買おうと決めたが、よく考えて見ると自分の部屋に掛ける処が無いのに気づき、どうしたら良いか思案したと言う。
 今のアパートは釘を打つところが無い造り、勿論フックを使用しても良いが、重量のある古時計は危険だと感じたらしい。
 そんな時、雑誌に懐中時計が載っていたと言い、それを見ているうちに場所もDSCN1332.JPGとらないから、これだと思い付いたと言う、本当は展示場で見た古時計が欲しいが、壁に掛けられないので諦めたと言うが、その気持ちも分かるような気がする。
 彼曰く、「アンティークショップに行く前に、懐中時計は一通り調べてみた」と言う、調べずに店に行っても恥ずかしいから。
 それで一応知識を頭に入れてアンティークショップへ行き、懐中時計を見ていたら、店員さんに何を探しているのかと聞かれた。
 彼は懐中時計を探していると言うと、「今は懐中時計は人気が無いから、店にはおいてないが、一つだけある」と言って奥に入ったらしい。
 しかし、直ぐに出て来て「何処かに入り込んでしまったので、もし良ければまた来てください」と言い、品物は「蛇の目の懐中時計」だと言われた。

 その日は家に帰って来て、店員さんが言っていた蛇の目の懐中時計とは何だろうと、気になったので私のもとに聞いて来たらしく、若い人が懐中時計に興味を示すとは、私としては非常に良い事と思うし、古時計の魅力をモット知って欲しいとも思う。
 彼の言う「蛇の目の懐中時計」とは、懐中時計のガラスカバーの真ん中に丸い穴が開いているものを指す。
 懐中時計はガラスを保護するカバーが掛かっているから蓋を開けなければ時間が見えない、その為に蓋を開けなくても時間が分かるように中央に穴が開けてあるもの。DSCN1334.JPG
 その形が丁度傘に描かれている「蛇の目模様」と同じようだと言う事から、通称「蛇の目」と称せられるようになった。
 当時の懐中時計はガラスの保護の為にカバーが付いているものが殆どであったが、蛇の目スタイルが出現してふたを開けずに時間を見えると人気になったと言う。
 一説には狩り行く時に便利であったからとも言われているが、やはり便利であった事が人気であったと思われる。
 質問して来た彼は実際にその懐中時計を見て、やはり現物を見ないと実感が分からず、百文は一見に如かずの諺通りだと思った由。
 知らない事は自分の目で確かめるのが一番の早道と、悟ったようで、その後も何回となく質問をして来るのだ。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計よもやま話
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/176401202
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック