落としてしまった
事故と言っても車の事故ではなく、古時計をぶつけたり、ガラスを割ったり、ゼンマイが切れたりと様々な事が起きる。
古時計展示とはそれらの事故が起きる事を想定していなければ、古時計の展示は行えものだと思う。
だからそんな事の起こらない様に注意はしているが、そこは何が起きるか分からないのも現実である。
搬送された古時計を順番に展示会場に、計画された場所に移動されて来た古時計をかけていた時の事。
何時ものように古時計をかけるのは自分で行ってきたので、今回も当然自分の手で行っていたが、その時起こしてしまった。
大事な古時計は慎重に扱っているつもりだが、その時はついうっかりと掛そこね、古時計は真っ逆さまに床に落ちてしまった。
鈍い音がしてバラバラな状態に砕け、周りの人たちが凍り付いてしまい、これではまずいと笑い声をあげた。
当然雰囲気は最低に、だからこそ笑い声をあげて周りを和ませないと、これからの作業が出来なくなるからだ。
見事にバラバラとなった古時計を片付け、何事もなかったように作業をはじめ、周りも少しは落ち着いた様子であった。
しかし内心では「やってしまった」と後悔の念が、やってしまってからでは遅いが、其れでも後悔するのが人間である。
時計本体は10ブロック位に見事バラバラ、早速古時計保存協会会員のほりみずさんに電話、修理を依頼する事に、電話で故障の内容を伝えた。
それから一年、今回の展示に間に合うように私の手元に返ってきたが、流石ほりずみさん外からでは全く分からない出来栄え。
年々ほりずみさんの腕は上がり、見事と言うしかない修理の出来栄え、やっぱり会員さんは頼りになるものだ。
それにしても「ほりずみさん」、丁寧に修してくれ、時の記念日展に間に合わせてくれたことに感謝。