2010年11月20日

自然薯 4

      自然薯と言えば静岡県丸子宿のとろろ汁が有名である。

 
 全国に数々ある産地の中でも、古くから歴史的に確認されている、自然薯の料理を出している店が、静岡県丸子宿にあるとろろ汁屋、1596年創業の「丁子屋」である。

 400年以上とろろ汁一筋で営業している日本で唯一のとろろ汁屋、その長い歴史にも驚くけれども、創業当時から自然薯料理の製法が変わっていないもの又驚きでもある。

 野山に自生している自然薯を掘り出し、手間をかけて料理して客に出す、シンプルが故に難しい物であるに違いないと思う、400年続けられる伝統の味。

 あの 「松尾芭蕉」 が丸子宿のとろろ汁を句にしている。    

   「 梅 わ か な  丸 子 の 宿 の  と ろ ろ 汁 」 、 と歌ったように、当時も盛んに食べられていた名物でもある。

 昔の旅人は、丸子宿に着き「旅の疲れを癒す」のと、これから先の旅に備えて「授養と精力を蓄えるため」、とろろ汁を求めて一気にかき込み、又旅を続けたのである。
 
 食文化とは面白い物で、「峠だとか川だとか」、隔てるとガラリと変わるのもおもしろく、この丸子宿より西、浜名湖を過ぎると自然薯の味付けが一気に変わる。

 例えば、「新井の関所」を過ぎ「潮見峠」に差し掛かると、自然薯の味付けは「味噌汁から醤油の出し汁」に変わり、この間2キロとないが味がまったく変わる。

 又三ケ日から豊橋に向け、「トンネル」をくぐると豊橋、「石巻山の自然薯」は、やはり醤油の出し汁であり、之もまたトンネルを抜けただけでガラリと味付けが変わってしまう。

 昔の国で言えば、「三河の国」から、「駿河の国」に入った途端、味が変わる事になるが、其の境は小さな溝であったり、トンネルであったりで、距離としてはほんの僅かなのに、ガラリと変わってしまうが、食文化の奥の深い事の実態でもある。

 旅人は、食べ物の中から、実感として違う国に入った事を食べ物から知る、そして又、別の食べ物から違う国に来た事を知るのであり、長い旅をしてきた距離の長さが食べるものでも分かる。

 



posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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