2010年12月18日

続古時計行脚 21

      藤村の間は三階建ての三階の角部屋である。

 藤村が若い時小諸から此処に湯治に来たのは明治中、今我々が其の藤村のとまった部屋で、其の時代の時計をいじっているのも又、なんかの縁である。

 ゼンマイが切れてしまったので時計を直すのを諦め、風呂に入る事にしたが雨がぱらついて来てしまい、露天風呂は傘をさしてはいる事にしたが、どうせ濡れるのだから傘は止めた。

 此処の露天風呂はそんなに大きくなく、湯もぬるめであり長く入っていないと上がれないので、二人してゆっくりと浸かるが、隣の露天風呂で若い女の子の声、俄然友人元気になる。

 最近女性客が増えたとは聞いていたが、やはり若い女性は良い、声を聞くだけで元気が出るのだから、友人早々と湯から上がり部屋に帰ってしまった。

 それは何故かと言えば、部屋から風呂に行く長い廊下があり、自分の部屋から廊下が見えるため、どんな女性か興味心身で部屋に戻って見学する為である。

 夕食時間、本来部屋で食事をとるのだが、彼女達が食堂で食べると聞いて食堂で食事する羽目に、いそいそと食堂に行けば、彼女達のほか宿泊客が多く居てほぼ満席である。

 友人の思惑が外れ、隣の席のおば様達からビールを勧められ、若い女性の方にも行けず結局彼女達は食事を済ませ部屋に帰ってしまったのである。
 
 おば様達は元気が良く酒も強く、友人は最後まで人質として囚われの身、私は早々に切り上げ部屋で寛ぐため食堂を後して部屋に帰った来たが、待てど友人は帰って来ない。

 再び露天風呂に向かいゆっくりと湯に浸かるが、又も隣で彼女達の声、しかし気の毒に友人はおば様達に人質の身、風呂から上がり部屋に帰ったが、友人まだ帰還せず。

 帰ってきたのは10時前、友人曰く 「おば様達の酒の強い事、帰るにも帰れずこの始末」と、大分上機嫌で帰還、結局おば様達のおごりで友人ニコニコ顔。

 これだから 「呑べい」 はたちが悪い、酒が入れば終わりが無い、結局は宿の女将さんに門限を言い渡され、おば様連中も渋々部屋に引き上げて行ったようだ。

 袖すり合うも多少の縁、静かな湯治場で宴会は似合わないが、意気投合して酒を酌み交わすのも縁、人に迷惑の掛からない程度の宴会なら良いのかも。
posted by kodokei at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計奮闘記
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