2018年08月21日

ガラス絵12

      本家より充実 

 がらす.jpg今回のガラス絵は、八角型のガラス絵やスリゲル型のそれとも違い、変形型のガラス絵、この形の時計にも色々なガラス絵が描かれているが、線上形式のガラス絵が多い事。
 写真や風景画等とも違ったガラス絵、先ず何処が違うのかと言えば、今までのガラス絵は、振り子室のガラスにに描かれていたもの、今回は振り子室のドアーでなく、時計前面が開くガラスドアー形式になっている時計。
 つまり文字盤の部分と振り子室の部分が一枚のドアーになっている時計の事、振り子室のガラスは多くが小さいドアー、今回のドアーは其れよりもずっと大きなガラスドアー部分に描かれている。
 ご多分にもれず、今回のガラス絵もアメリカ製時計のガラス絵のコピーであるが、日本人には人気の高い時計をモデルとして、コピーをしたガラス絵。

 アメリカでも人気のモデル、ウェルチ社のイタリアン、ハンキングと呼ばれる時計、その時計のガラスに描かれているものを、職人が忠実に写し取った物である。
 芸術の世界では、コピーとは言わず写しと言う、芸術的な絵画は古今とわず写しが当たり前、幾人の人が写しを行い、前任者を越えていったものも存在する。
 師匠より更に優れて、師匠を超える其れが又芸術の世界、このガラス絵を描いた明治の職人は、アメリカのモデルとなった職人が描いたものを超えてしまったのである。
 写真で分かりずらいかもしれないが、ウェルチ社のイタリアン、ハンキングをコピーしたにも拘らず、其れを越してもっと優れたガラス絵を完成させてしまったようである。
 線の太さや全体のバランスを比較してみると、写しのほうが出来が良いのにきずく、細かな部分も手を抜かずに職人魂を遺憾なく発揮している事である。
 当時の日本の職人は、コピーに留まらず、自分の力量を上げる事に精進した過程で、本家を追い越して独自の世界を作り上げてしまったのだ。
 時計も日本製、名古屋で製造されたウェルチのコピー時計であるが、細部に本家の時計よりも優れた技量が発揮され、本物よりも良い出来になっているのが面白い。




 
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計裏話
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