2017年02月11日

漆工芸

      漆  の  達  人 



SANY4915.JPG 明治期に製造された時計には、色々な工夫が施されているが其の1つが金ダルマや金縁があげられ、西洋には無い日本独自の伝統技術である。
 西洋ではニスが用いられて時計の塗料として使用され、殆どの時計にはニスが塗られているが、西洋時計を製造するに当たり、日本の職人は西洋のニスの代用として漆を用いた。
 本来ニスで仕上げる部分を漆で塗ったり、又は接着剤として漆を用いて其の代用としていたようであり、金ダルマの下地には黒漆が塗られており、其の上から金箔を置き、其の上から又すき漆を掛けて金ダルマに仕上げた。
 西洋時計は金泥を用いている為漆は使わないが、日本では金箔技術を金ダルマに仕上げる為、其の手法を用いて金泥の代用をした物である。
 DSCN2126.JPG他にも、西洋時計では色付けニスを使用して彩色されるところを、日本の職人は古来の手法色漆を塗り、其の代用とした事も珍しくは無く、数多くの時計にこの手法が用いられている。
 だだし、現代に於いて其れを色漆で仕上げてあるのに、気ずかない人の多い事も又事実であり、ニスが掛けられていると勘違いしている人も居る。
 写真の時計は、其の漆を用いて西洋には無い技術で見事な細工が施されている時計であり、現在の職人さんには中々真似の出来ない手法を使って製造された時計である。
 この時計、勿論特注品であり、一般に製造されたものでなく、施主の希望に応じて製造された物、時計の外箱は見事な春慶塗が全体に施されており、箱の中まで塗り固められている。
 機械はアメリカ製のアンソニア社のものが使用されており、高級感のある時計である。
 特注品には違いはないが発注者は相当の資産家と思SANY4918.JPGわれ、時計の形も八咫鏡を連想させるものとなっている。
 あえてこのデザインにしたのは、余程伝統的なものを重んじての事か、時計内部まで拘りを見せたのも、その表れなのか。
 そして、時計の表には漆を盛り上げて、鳳凰と龍を見事に図案化し、素晴らしい技術を持って芸術的な時計に仕上げられて、現在この時計を再現したとすると、相当の時間が必要とされるであろう。
 時計前面上部には、鳳凰が飛んでいる姿が漆を盛り上げて作られ、両脇には昇り龍と下り龍が、これまた見事に描かれ、之が漆で描かれたものと分かる人は少ない。
 見た感じでは彫刻されているようにしか見えず、漆で盛上げられているとは分かる人は少ないであろうが、そこまで日本古来の手法を施されているとは驚きでもある。
 鳳凰も龍も図案化されているから、初めは何が描かれているのか、私自身も気がつかずに、人から質問され観察して、始めて鳳凰と龍であると分かったものである。






posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク
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