2011年07月03日

水団扇3

うち.jpg      水 団 扇 は 紙 が 命 

 岐阜県で生産された団扇の中でも、水団扇は其の美しさと強さを兼ね備えた団扇、美濃市で造られる和紙を素材として造られ、製造工程も又特殊である。

 古くから良質の美濃和紙を製造している美濃地方、その中でも1番強い和紙を選んで水団扇に用いているが、その和紙は雁皮紙とよばれ、沈丁花科の落葉抵木で成長が遅く栽培には適さず、野生の木を原料としている事から、繊維は短く繊細で美しく、雁皮紙は紙の王と呼ばれ珍重されている。

 紙漉には非常に難しく、繊維を均等に漉くには難しく熟練を要するが、出来上がった紙は透けて見え最上級の和紙として、公文書等に用いられている。

 全国でも限られた地域で造られているが、その1つが美濃であり、美濃で製造された和紙を用いて、岐阜で団扇として加工されるが、最も特徴のあるのは、天然のニスを表面に塗ることにより、光沢と少し茶色掛かった独特の色となり、美しさと水に非常に強く、耐久性のある団扇として出来上がる。

 全国でも有数の団扇の産地岐阜、その岐阜の団扇技術を最大限に生かした団扇として、水団扇が作り出されたのであり、全国でも珍しい団扇として人気を博していた。

 前回紹介した水団扇は、時代的に大正期の物で、今回紹介するのは昭和に入ってからの水団扇であり、絵柄も少し近代的になっているが、見た目には涼しげな色合いに仕上がっている。

 薄い水色を土台に、鬼百合を配した図柄、ぱっと華やいだ雰囲気の、いかにも夏らしいデザイン、薄い水色と鬼百合の部分が透けて見え、水団扇特有の仕上がりになっている。

 ゆり.jpg鬼百合の部分は日の光や鵜飼の篝火の光を受けると、其の部分が浮かび上がって見え、水団扇特有の雰囲気と涼しさを演出する、最高の道具となる。

 大正期に製造された水団扇と比較すると、この水団扇の方が少し大きくなっているようで、時代の流れを感じさせる団扇、其の時代、時代にあった団扇を作り出す職人の腕が一層輝く代物となっている。
posted by kodokei at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク
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