2017年05月24日

よもやま話

      時計にまつわる話



 SANY1153.JPG古時計には色々な逸話が付いて回るものだが、良い方向に勝手に思い込んでしまう人も、古時計であるが故に話が付いて回るのも常、時計の出所もしかり。
 よく古時計には、旧所有者は古くからの旧家であり、由緒正しい家から出た物だから、絶対に良い物であると勝手に決めつけて、出所がよいからこの時計も良い物であると。

 分けのわからない事を言って、古時計を客に勧める店主も多く、如何してもウンチクを勝手に描いてしまい、とんでもない事を言い出す人も現れる。
 写真の時計、中央にマーガレットの真鍮の飾りが付いているもの、この飾りにとんでもない事を言い出した店主が、「この時計は皇室からの拝領品」とばかりに、うやうやしく抱きかかえて持って来た。
SANY1145.JPG
 名古屋市内のある骨董屋の主人がその人、面白いユーハンスの時計が入ったから買わないかと、お誘いの電話を貰った。
 話がどうもオカシイので早速出かけ、その時計を見て「何処に皇室から出た物なの」と、主人に聞けば、「此処を見てよ」と真鍮の飾りを指差している。

 私が「之がどうかしたの」と聞けば、主人「菊の御紋が入っているでしょう」と自慢げ、それには此方も腹から笑えて「どこが菊の紋なのか」と、再度聞く。
 戸田さん「この飾りが皇室から出た証しだよ」と鼻息も荒い、仕方なく「この飾りはユーハンスのスタンダードの飾りだよ」と切り返せば、そんなことは無いと、尚も強気である。

 菊の紋が入ったユーハンスの時計は少なく、まして皇族から出た時計は中々手に入らないものだと言うのだ。
 それではと「確かこの本にも同じ物が付いてSANY1167.JPGいるはず」と古時計の本を出して、同じユーハンスの時計の写真を見せ、「この時計は同じ物が幾つかあり、皇室の紋ではない」全然違う物だよと説明。
 良くある事だが、高く売りたい事は分かるけど、無理やりにこじつけてはいけない、知ってか知らずか、間違いを言って買わせるのはご法度だから。

 最近の天皇退位が話題であるから、しかし飾りの菊のデザインを良くもまあ皇室を持ち出すとは、人は色んな発想をするものであるが、事実は事実それを見極めるのも、古時計愛好家としての楽しみでもあるのでは。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計よもやま話
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