2019年05月15日

久し振り

      老舗の貫禄

 SANY2850.JPG長野県木曾福島、言わずと知れた御嶽山の地元、中仙道福島宿のど真ん中、橋の袂に店を構えて3百年、木曾福島の蕎麦と言えば「くるまや」と決まっている。
 昔から多くの旅人に支持され、橋の袂で商いをして3百年が過ぎ、今尚木曽の蕎麦屋と聞かれれば「くるまや」と誰しもが口を揃えて云う言葉である。
 今は余り見かけなくなったが、木曽の御嶽山に登山する、白装束の人々で店は溢れかえっていた頃、私がまだ10代であった頃の話、店の中は白装束で真っ白。
 普通の姿をしていると、何だか場違いであるかのような錯覚に囚われ、居心地がよくなかったもの、兎に角信仰心のない私であるから、尚更の事であったのか。
 そしてもう1つが、名物おば様、客の注文を聞くが驚くなかれ、一切筆記をしないので、客は不安な気持ちで居ると、注文通りに蕎麦が目の前に置かれる。
SANY2854.JPG
 其れに気付き、そのおば様の行動を見ていると、実に美しいくらいに敏速、かつ正確であり、何人かがまとめて注文しても、順番通り蕎麦は間違いなく届く。
 客もそんなおば様の姿を見て、目を丸くする人や、はたまた間違えるか、間違えないか、賭けをする人まで出る始末、つまり間違えた方にかけた人は、後でそば代を支払うと云うもの。
 知らない人同士だからやることだが、常連さんならば無駄な賭け等絶対にしないもの、おば様が間違えない事を百も承知、そんなおば様が居るおかげで、満員なのに皆おば様に気を取られて、蕎麦を待つ時間を忘れる始末。
 店は今も昔と変わらず込んでいるが、名物おば様の姿は今はなく、若い頃を思い出しちょつぴり寂しく、蕎麦を待つ時間も長く感じるのは何故であろうか、寂しさなのだろうか。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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