2017年02月04日

コストダウン

      ガラスの留め方 



 明治期に輸入された西洋時計、文明開化の波にのり日本に多く入って来たが、外国SANY7266.JPG製は価格が高くてマダマダ庶民には高嶺の花であった。 
 人々はこの外国製の時計に憧れ、何時かは自分も1台は持ちたいと願ったもの、その様な状態をいちはやく察して、西洋時計の国産化が計られた。 
 西洋時計をモデルとして日本各地で日本製西洋時計の製造が開始され、多くの時計が市場に出回ることに、しかし当初の時計は性能もまだ劣っていた。 
 形こそよく似た物を製造はしたが、機械や材質の面ではマダマダ到達できず、西洋時計に追いつかなく、発展段階の状態であった。 
 その1つの原因は価格、当然西洋時計よりも安く販売しなければならず、コストを下げる事を要求され、色々の部品をコストダウンして対応したものだ。 
 そして技術面においても西洋時計の技術まで到達せず、価格面での妥協し製造をはかった結果、色々なところにしわ寄せをしたもの。 
 写真のガラスの取り付け方、アメリカ製の時計はガSANY7338.JPGラスを止めるのには、先ず鋲を枠に打ちガラスを固定しておき、その上から石膏で縁取りをする。
 鋲打ちだけでもガラスは固定されるが、仕上がり方が石膏とは全く違い、鋲が見えてしまい余り格好がよく無いもので、石膏を上から塗ることで仕上がりが全く違ったものとなる。 
 ガラス枠を開けた時でも留めてある鋲は見えず、スッキリとした仕上げに、見た目にも綺麗な仕上がり、ひと手間かけて高級感を出している。 
 それに引き換え、日本時計のガラス留め方は、木を枠状にして釘で固定しているもの、この方法は手間が省けるから、石膏を塗るよりもコスト面でも安く仕上がる。 
 見た目には綺麗さには欠けるが、ガラスが外れる事は無く、機能的には問題はなもの、簡単に仕上げる事の出来る作業である。 
 細かいところまで気を配って製造されているアメリカSANY4589.JPG製の時計、日本の時計はコスト優先の少し洗練さには欠ける仕上がりだ。 細かなところを比較しても、西洋時計にくらべ日本製の時計は、外形は良く似ていても細部を検証すると、大きな違いがある事を発見できる。 
 そこには、一家に1台は西洋時計が欲しいと思う日本人に向け、少しでも安い時計を製造して提供しようとした、明治の時計製造者たちの戦いでもあった。 
 明治初期アメリカ製の西洋時計は5円からと高価で一般庶民には高嶺の花、その西洋時計を国産化し一般に提供する為、時計製造に心血を注いだ。 
 それでも国産時計の当初は3円50銭とやっぱり高かったのだが、その後次第に量産が進むに連れて値段も下がって行ったようだ。 コストダウンを如何にして達成し安価な時計を提供できるように先駆者の苦労は続いたと思う。
 小さなところから改良を重ねる事でコストをダウンさせ市場に合った安価な時計を作り出して来たのだ。
 このガラスのとめ方も石膏を使わずして木片で簡素化、これもコストダウンの一環であり、コストダウンに繋がった事は確かだ。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計裏話
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