2017年01月14日

薄型機械

      イングラハム

 DSCN1609.JPGアメリカ製のイングラハム社の機械、日本に輸入されてから時計のモデルとして明治期利用され、多くのコピー機械が製造された。
 おもに四ツ丸ダルマが多く、日本製はこの機械をコピーした物が入っているが、この機械は普通の機械よりも薄型の機械、イングラハム社製の四ツ丸ダルマのものと同じ。
 当時ダルマ型の時計として一番人気のもの、その原因は薄型のボデーにあり、明治期から現代まで日本人に愛されて来た時計の1つ。
 何と言っても薄型のボデーと金色、日本人を虜にして来たこの形、同じダルマでもアンソニア社の金ダルマと比べれば、その優美さがより分り、やはり人気の高い古時計である。
 洗練されたボディーは他社のダルマと比べ何処と無くセンスが良い。
 それに比べアンソニア社の金ダルマは機械が厚く設計されているため、当前ボデーも厚くなってしまう事に、おかげで人気薄になったのはSANY3926.JPG、その原因が機械にあるのでは。
 イングラハム社の機械とアンソニア社の機械を比べれば、歴然としてその違いが出る事に、全体はさほど違いの無い機械、しかし厚みのあるアンソニアの機械は、指針を動かす支柱や鍵を巻くゼンマイの支柱が長い事。
 これは元々時計本体の形がイングラハム社のダルマの様に薄くなく、馴染みのある見慣れた普通の深さの箱に入っているものだ。
 つまり、イングラハム社の機械が特殊、アンソニア社の機械が普通、これは他の機械も同様で、普通の機械をイングラハム社のダルマの箱に入れようとしても無理だと言う事。
 何故無理解言えば、センターの時計の主軸が短い事と、ゼンマイを巻く主軸も極端に短く、普通の時計の箱が深いせいもあり、両方の主軸が文字盤穴から出てこない。
 写真で見ると左のイングラハム社の機械の主軸と、アンソニア社の主軸を良く比較してみて、その違いが分かると思います。SANY3948.JPG
 右のアンソニア社の機械の主軸が長いことに気付くと思いますが、これが普通の機械でして、殆どの時計会社の機械と同じもの。
 そしてもう1つの違いは主軸の位置、イングラハム社の機械の主軸は狭くて、アンソニア社の主軸は広いのも、これも機械の違いです。
 そして一般の文字盤をつけると、イングラハム社の機械の主軸は見えなくなり、特にゼンマイを巻く主軸は穴の位置から外れている。
 これではゼンマイを巻くことは出来ず、イングラハム社の機械を普通のダルマに入れようとしても出来ないことが、主軸の位置でも分かることになる。
 そんな訳で、イングラハム社の四ツ丸ダルマが優美に見える仕掛がここに、時計本体が薄い事と機械が薄いのとが両立して、あの姿となり、多くの古時計愛好家から支持を受ける理由であると思われる。
 計算された姿こそが、人々を引き付ける魅力となっているもので、偶然から出たものではない事が分かると共に、時計の姿も重要なもSANY3943.JPGのだと言う証拠でもあると思う。
 一番下の写真は左国産の機械、右がイングラハム社の機械、同じ様に見えるが細部にわたって違いが分かる人は、古時計通といえよう。
 もちろん国産の機械はイングラハム社のものをコピーしたもの、しかし何処がどう違うのかはじっくりと機械を見ないと分からないと思う。

posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計よもやま話
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