2014年05月01日

瀬戸と伊万里

      同じ水滴
SANY4838.JPG
 書道に使う水滴、この水滴にも時代により流行が、一見地味な水滴は書道で言う脇役、硯や筆と比べればヤッパリ脇役の存在。

 硯は当然スターの存在で、筆もまたスターである事に違いはなく、2つとも様々な工夫がされ主役を保っているのだが、水滴は脇で支える役目の立場。

 言うまでもないが書道は水を必要とし、墨を摩る時には必需品、しかしそんなに多くの水が必要ではなく、少しの水があれば墨は摩れ、その為に小さな器でよい。

 そこで作られたのが水滴、昔から水滴は必需品として多くが製造され、時代の流行りも伴っていろいろなものが製造され、書道家に愛されて来た。

 好みにもよるが水滴自体は小さなもの、好きで集めれば幾つでも集められ、自分の気分によってその時々で水滴を変えていた人も多い。

 明治に入り時代の流れは文明開化、その最先端を行く時計、水滴も時代の流れに即応して、人気であった西洋時計をモデルとして水滴をデザイン。SANY4851.JPG

 文明開化の最先端時計、現在でも新しいものに目の行く人々が多いが、明治初期の日本人には西洋時計は憧れの的、その時計をデザインした水滴が現れる。

 当時は製造もと瀬戸と伊万里、両方の産地は競い合って、この西洋時計をデザインした水滴の製造に入り、販売合戦が始まる。

 江戸時代から競い合ってきた産地同士、両産地とも西洋時計の水滴を製造するが微妙な違いが、普通中々この産地の違いは分からないと思う。

 瀬戸の水滴は見た目に少し白っぽい色に焼き上がり、伊万里の水滴は乳白色と少しくすんだ色の様、2つを比べると違いが分かるのだが。

 写真の上が瀬戸の水滴、下が伊万里の水滴、光線の加減で見難いかも知れないが良く見ると瀬戸の水滴は透明度があることが分かる。

 勿論形は八角の水滴で比較しているが、その他にも色々な形のものが製造されているもので、特に八角に拘って比較してみた。
SANY4846.JPG
 文字盤部分を見ると違いが、瀬戸の水滴は時間の文字部分が窪んでいるが、伊万里の水滴は窪んでいないものも存在している。

 写真2つ目のもの右瀬戸の水滴、左伊万里の水滴、文字盤を良く見て欲しい。

 産地の型を作る職人のデザインの違い、ここにも産地同士の競争原理が現れていると思われ、差別化を示した部分とも思える。
 
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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