2014年05月04日

アンソニアタイプ

      似ているが

SANY5284.JPGSANY5305.JPG 明治期アメリカから入ってきた西洋時計、日本でそのコピーが多く製造され市場に出回り、時計の価格が一段と下がる事になる。

 国産の時計が多く製造されるにつけて、高い外国製の時計は敬遠され始め、国産化に一気に加速するが、機械そのものはまだ未熟な段階であった。

 形こそ良く似たものが製造されたが、まだまだ技術的に劣っていたもので、西洋時計の形を成してはいるが、外国製の機械には及ばなかった。

 明治中期に入るとその技術も飛躍的に進歩して、この時点で肩を並べられる位にまで進むが、材質において日本製のものは劣っていた。

 材質はやはりアメリカ製の物の方が良く、日本製の材質は余り良く無いもの、耐久性にはまだまだの領域であり、其れもコスト面での問題でもあったようだ。

 SANY5293.JPGSANY5306.JPG写真の機械、本家本元のアメリカ製アンソニア社の機械、其れを忠実にコピーしたと思えるハートH精工所の機械、両者は同じ様に見えるものでも、細部的に見ると違いも出てくる。

 光線の加減もあるがアンソニア社の機械、良く見ると真鍮の材質が良いもので製造されているのに対して、ハートH精工所の機械、真鍮の材質が悪い。

 両社の機械を比較、やはり材質面でも劣っていることが、色の良し悪としてハッキリと表面に出ているもの、そして最も違うのがアンクルの位置。

 形こそ同じ様に見えても、その構造には少し違いがあり、アンクルの位置が明らかに違う事がわかるのだが、チョット目には分かり辛いと思う。

 アンソニアの機械、アンクルは最上部より少し下の位置、片方ハートH精工所の機械のアンクルは最上部に位置しており、両社の違いは明らか。

 このアンクルの位置で歯車の配置が変わって来るのは必定、雁木車の大きさも当前違いがあることに気が付かなければならない。

 そして、アンソニア社の機械にはゼンマイが切れた時に他を傷つけない為にストッパーが付いているが、その数が少なくハートH精工所の機械にはストッパーが多く付けられている事も見逃せない。

 ゼンマイは切れると物凄い力で外に広がり、他の歯車を傷つけてしまうので、必ずストッパーが設けてあるが、これがナイト他の歯車は全滅する恐れもある位。

 その点日本の機械はその為の備えを多く付けている事、しかしその反面バネが切れやすかった事、安全性に重点を置いていると言えようが、ここにも考え方の違いが出ている様な気がする。

 モデルを忠実にコピーしたかのようだが、細部を検証して見ると、意外な違いを見つけることになり、日本の時計の技術の進歩が伺える事となる。

 1度自分の時計機械を2つ並べて比較してみたら、今まで気が付かなかった事が見えてくるかもしれません、是非やって見て下さい。
posted by kodokei at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 古時計裏話
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